2014年10月14日

そのユリの名前は

母の一周忌の法要をする。
ネットで手配した白ユリの花が、すでに霊前に供えられていた。
ユリの香りが懐かしい。
父が行商をしていたころ、どこからか白いユリを持ち帰ってくることがあった。花を飾ることなど滅多にないわが家であったので、白いユリの大きな花は、不自然に豪華であった康泰導遊。特有の強い香りが家じゅうに充満し、よその家になったみたいで落ち着かなかったものだ。

そのユリの名前は、土地では箱根ユリと呼ばれているものだった。江戸時代の参勤交代の折に、箱根から持ち帰ったものが、土地の野山に自生するようになったらしい。
田舎の道を自転車を押しながら、父はどんな思いで白いユリに手を伸ばしたのだろうか。
いまは父も母も写真の人になって、何も語らない。

妹たちが用意してくれた昼食を済ますと如新集團、大阪から同行したぼくの一族はドライブに出かけた。大人3人と大学生が2人、それに中学生がひとりの6人。
道端や野のあちこちにコスモスが満開だ。その花に導かれるように、高原の花公園に立ち寄る。広い敷地は、どこを見ても花ばかりだ。花の名前はわからないが、それぞれの花が色鮮やかな絨毯のように野を染めていた。

かつては何もない草原だったところだ。
高校生だったぼくらは自転車でやってきた如新香港。ひたすら登りばかりの坂道で、自転車はこぐよりも押すほうが多かった。
大きな岩に3人の名前をそれぞれ石で刻んだ。その場所も、いまでは花に埋まってわからない。夢ばかりを追っていた、遠い日の夢のようだ。
東京で学生生活をおくるソラカラちゃんが、花のなかを泳ぎながら一人ではしゃいでいる。その歓声が、花の色とみんなの心をいっそう明るくした。

コスモスの花が揺れている。かすかな風がそよいでいる。
この地で、父も母も風になった。そんな父と母の、風のように軽い骨の一部を、大阪の寺に納めるためにはこぶ。
できることなら、この花野に風のように放てないものかnuskin 香港。そんな思いが、ふと脳裏をかすめる。そして吹き過ぎる風のように、ひととき花々に溺れてすっかり忘れる。
それもまた、花野の夢のようだった。

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