2014年11月03日

彼の作風には

のんびりしたときには、内田百閒のエッセイを読むことがある。

彼は、夏目漱石の直接の弟子としては、一番若く、
年代的には、芥川龍之介とほぼ同年代で同じ学校で教えてもいたようだ。
百閒のエッセイのほとんどには康泰導遊、何とも言えないトボケた味わいがある。
大いに笑わせる訳でもないが、
次第に引き込まれて行く魅力がある。
今でもかなりの巻数が文庫本として売られていているが、
あえて新刊に手を出さずとも、古本屋に行けば手頃な価格で買い求めることができる。
くつろぎながら、横になって読むような本。
ちょっとした癒しになるようなところがある。

彼の作風には、三つの要素が隠されていると言った人物がいる。
一つの要素は、諧謔(かいぎゃく)趣味。すなわちユーモア。
その典型は『阿房列車』康泰領隊
お伴を連れ、鉄道に乗って大阪まで行く話だが、
何のために行くのか、その意味がはっきりしないままトボケた旅をする。
二つ目の要素は、観察眼。
『ノラや』などにあらわれる自分自身の行動の描写は妙に鋭かったりする。
そして、三つ目の要素は、幻想世界。
幻想なのか実際の話なのか、その境界線がはっきりしない。
いわゆる虚実皮膜のようなところがある。
これらの三つの要素が、絡み合って独特の味わいを出している。

そして、意味のないものを愛する姿勢がそれに色を添えている。
今の世の中、大学教育に対しては、実社会に結びついた、
より実践的でより効率的な教育を求めている康泰領隊
それに基づいて「大学ランキング」などというものも発表されている。
東京大学が世界ランキングで何位という捉え方をする。

ところが、彼の言葉に、
「役に立たない事を教えるのが大学教育の真諦じゃないか。
社会に出て役に立たぬ事を学校で講議するところに教育の意味がある康泰導遊

「いいね!」


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